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アルバイト講師が辞めにくい塾の作り方|負担の可視化・評価・コミュニケーションで「定着する個人塾」にする

公開日: 2026年10月9日

アルバイト講師が辞めにくい塾の作り方|負担の可視化・評価・コミュニケーションで「定着する個人塾」にする

ようやく慣れてきたと思った大学生講師から、「来月で辞めたいです」と言われた。理由を聞いても「学業が忙しくて」としか返ってこない。また募集を出して、面接して、研修して──。個人塾の塾長にとって、アルバイト講師の退職は、授業の穴埋めと採用のやり直しが一度にのしかかる大きな負担です。

学生講師は卒業や就職活動で入れ替わるのが自然で、退職をゼロにすることはできません。ただ、「本当は続けられたのに辞めてしまう」講師を減らすことはできます。この記事では、講師が辞める原因を整理したうえで、負担の可視化・評価・コミュニケーションの3つの仕組みで、少人数の塾でも講師が定着しやすくなる方法を解説します。採用の段取りそのものは「個人塾のアルバイト講師採用、募集から初回勤務までの段取り」で紹介しています。

アルバイト講師が辞める3つの原因

退職理由として最も口にされやすいのは「学業」「忙しい」ですが、その裏にはたいてい、塾の側で手を打てる原因が隠れています。大きく分けると次の3つです。

原因講師の感じ方よくある場面
見えない負担「時給以上に拘束されている」「思っていた仕事と違う」授業前の準備、授業後の報告や片付け、急なシフト変更の依頼が積み重なる
見えない評価「頑張っても何も変わらない」「自分の授業でいいのか分からない」時給が入社時から変わらない。フィードバックが注意だけ
相談できない「困っても言える場がない」「塾長が忙しそうで話しかけにくい」生徒や保護者の対応で悩みを抱えたまま、ある日突然退職の申し出になる

どれも「講師のやる気」ではなく塾の仕組みの問題です。逆にいえば、仕組みを整えれば、塾長ひとりでも改善できる部分が大きいということでもあります。

仕組み1:講師の「見えない負担」を洗い出して減らす

まずは、講師が授業以外にどんな作業をしているかを書き出してみます。塾長自身は当たり前だと思っていた作業が、講師にとっては大きな負担になっていることがよくあります。

授業以外の作業を一覧にする

タイミング作業の例見直しの方向
授業前前回の記録の確認、教材の準備、プリントのコピー前回の記録を1か所にまとめ、探す時間をなくす
授業後指導記録・報告の記入、宿題の記録、片付け書く項目を絞り、定型文を用意する
勤務外シフト希望の連絡、急な代講の依頼への返信、保護者対応の相談連絡の窓口と時間帯を決め、深夜・休日の連絡を減らす

洗い出したら、「やめる」「短くする」「塾長が引き取る」のどれかに振り分けます。たとえば授業後の報告は、指導報告書の型を決めて項目を絞るだけでも、講師1人あたりの記入時間を大きく減らせます。前回の記録を探す手間は、講師間の引き継ぎの仕組みを整えることで解消しやすくなります。

準備時間・研修時間の扱いを明確にする

授業の準備や研修、ミーティングの時間をどう扱うかがあいまいなまま働いてもらうと、「見えない負担」の代表格になります。どの時間を勤務時間として扱い、どう賃金を支払うかはルールとして明文化し、採用時に説明しておくことが大切です。何が労働時間にあたるかの判断は個別の事情によって変わるため、具体的な取り扱いは社会保険労務士や所轄の労働基準監督署に確認したうえで決めてください。給与ルールの決め方と締めの段取りは「塾のアルバイト講師の勤怠管理と給与計算をラクにする方法」で詳しく解説しています。

ポイント:シフトの急な変更依頼も負担の一つです。定期テスト期間や講習期間など、忙しくなる時期は前もって伝え、希望の集め方と締切を毎回同じにしておくと、講師は予定を立てやすくなります。シフトの組み方は「塾講師のシフト管理をラクにする方法」も参考にしてください。

仕組み2:時給だけに頼らない「見える評価」をつくる

アルバイト講師にとって、評価は時給だけではありません。「自分の授業で生徒が変わった」と実感できること、塾長からそれを認めてもらえることが、続ける理由になります。

評価の材料を3つに分ける

昇給の基準を先に示す

「いつ、何ができれば時給が上がるのか」が分からないと、頑張る方向が見えません。勤務期間・担当コマ数・研修の修了・担当できる科目や学年の広がりなど、塾として無理のない範囲で基準を決め、採用時と半年ごとの面談で伝えます。金額の大小よりも、基準が事前に示されていて、実際にそのとおり運用されていることのほうが信頼につながります。

また、日々の指導記録は評価の材料にもなります。講師が書いた記録に塾長がひとことコメントを返すだけでも、「見てもらえている」という実感が生まれます。記録の残し方は「塾の生徒記録(日誌)を残す習慣と活かし方」を参考にしてください。

仕組み3:相談しやすいコミュニケーションの場をつくる

辞める講師の多くは、辞める前に何かしらのサインを出しています。それを拾えるかどうかは、普段から話せる場があるかどうかで決まります。

月1回10分の個別面談

授業前後の10分で十分です。毎回同じ3つの質問をすると、話しやすく、変化にも気づきやすくなります。

  1. 最近の授業で、うまくいったことは?
  2. 困っている生徒や、対応に迷っていることは?
  3. これから先(試験・就職活動・帰省など)の予定で、シフトに影響しそうなことは?

3つ目の質問で、学業や就職活動の予定を早めに聞いておくと、「辞める」ではなく「一時的にコマを減らす」という選択肢を一緒に考えられます。

日々の声かけと連絡のルール

辞める前のサインと、話を聞くときの順番

次のような変化が続いたら、面談の時期を待たずに声をかけるタイミングです。

サイン考えられる背景
シフト希望が急に減る学業・就職活動・他のアルバイトとの両立、塾での負担感
報告の記入が短くなる、遅れる授業後の作業が負担になっている、授業に手応えを感じていない
特定の生徒の授業を避けたがる生徒との関係や指導方法に悩んでいる
連絡への返信が遅くなる塾への関心の低下、生活の変化

話を聞くときは、引き止めから入らず、①状況を聞く→②塾側で変えられることを提案する→③本人に選んでもらうの順で進めます。コマ数を減らす、担当生徒を変える、試験期間だけ休むなど、続けやすい形が見つかれば、退職を避けられることも少なくありません。それでも辞める場合は、気持ちよく送り出すことが大切です。退職した講師が後輩を紹介してくれたり、繁忙期に手伝いに来てくれたりすることもあります。

退職が決まったら、担当生徒の引き継ぎを最終勤務日の前に終えられるよう、日程を逆算して進めます。

まとめ:講師の定着は「仕組み」で支える

アルバイト講師が辞めにくい塾にするためのポイントを振り返ります。

最初の一歩としては、今いる講師に「授業以外で時間がかかっている作業は何ですか」と聞いてみるのがおすすめです。答えの中に、塾全体の業務を軽くするヒントも見つかるはずです。

この記事を書いた運営より

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