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塾の年間事務カレンダーの作り方|募集・講習・面談・料金改定の時期を1枚にまとめて「毎年バタバタ」をなくす

公開日: 2026年10月4日

塾の年間事務カレンダーの作り方|募集・講習・面談・料金改定の時期を1枚にまとめて「毎年バタバタ」をなくす

「冬期講習の案内、去年はいつ出したんだっけ」「面談の日程調整を始めたら、もうテスト対策期間と重なっていた」──。塾の事務には、毎年ほぼ同じ時期に同じ仕事がやってきます。それなのに毎年のように慌ててしまうのは、塾長の段取りが悪いからではありません。1年分の事務が、どこにも1枚の形で書かれていないからです。

授業の時間割は紙や表になっていても、「いつ・何の準備を始めるか」は塾長の頭の中にしかない、という塾は少なくありません。この記事では、個人塾・小規模塾の塾長が、募集・講習・面談・請求まわりの事務を1枚の年間カレンダーにまとめる方法を整理します。立派な計画書を作る必要はありません。A4で1枚、来年の自分が見て動ければ十分です。

塾の事務が「毎年バタバタ」になる3つの原因

同じ仕事を毎年しているのに楽にならない背景には、次の3つがあります。

原因起きること
1. 予定が頭の中にしかない思い出した時点が着手日になる。忙しい時期ほど思い出すのが遅れ、準備期間が短くなる
2. 「実施日」しか意識していない講習の開始日や面談の週は覚えていても、案内を出す日・準備を始める日が決まっていない
3. 去年の反省が残っていない「案内が遅かった」「この時期に重なって大変だった」という気づきが、翌年には消えている

3つとも、能力や気合いの問題ではなく、書いて置いておく場所がないことから生まれています。年間事務カレンダーは、この「置き場所」を1つ作る作業です。日々の業務の見直しについては「個人塾の塾長が今日からできる業務効率化」で整理していますが、年単位の仕事は、日々の工夫とは別に1年を見渡す視点が必要になります。

カレンダーに載せる事務は「5つの分野」で整理する

いきなり月ごとに書き始めると、思いついたものから並ぶため抜けが出ます。先に分野を決め、分野ごとに「年に何回・いつ頃あるか」を洗い出すと漏れにくくなります。

分野主な事務の例
1. 募集・入塾チラシやホームページの更新、体験授業の受付、入塾手続き、紹介のお願い
2. 季節講習春期・夏期・冬期講習の日程決め、案内、申込受付、時間割作成、講習費の請求
3. 面談・保護者対応定期面談の案内と日程調整、資料準備、定期報告、受験生の進路面談
4. お金教材費・模試代などの請求、料金改定の検討と告知、年度の帳簿の締め、申告の準備
5. 人と教室講師の募集・契約更新、学年更新と名簿整理、時間割の切り替え、教材の発注、備品や契約の更新

毎月の月謝請求や給与の締めのように毎月必ずある仕事は、年間カレンダーには書き込みません。月ごとの欄がそれだけで埋まり、年に数回しかない仕事が目立たなくなるためです。毎月の定例業務は「月次チェック表」として別に1枚持ち、年間カレンダーにはその時期にしかない仕事だけを載せるのがコツです。

地域と学年で変わる予定は「学校の予定」から拾う
定期テスト、長期休みの開始日、入試の日程は、地域や学校、年度によって異なります。カレンダーを作る最初の作業は、通塾生が多い学校の年間行事予定と、受験生がいる場合は入試日程の一次情報を確認することです。複数校の日程の整理は「塾の定期テスト対策期間の運営」も参考にしてください。

時期別・年間事務カレンダーのひな形

以下は、小中学生が中心の個人塾を想定した一例です。時期は学校の予定や塾の方針で前後するため、このまま使うのではなく、自塾の実際の時期に書き換えるためのたたき台としてご覧ください。

時期その時期にある事務この時期に着手しておくこと
4〜5月新年度の時間割・名簿での運営開始、新入塾生の手続き、学校の年間行事予定の確認夏期講習の日程とコースの検討、1学期の面談時期の決定
6〜7月夏期講習の案内・申込受付・時間割作成、1学期の面談、講習費の請求夏期講習中の講師シフトの確定、2学期からの募集の準備
8〜9月夏期講習の実施と振り返り、2学期の募集、受験生の志望校の確認来年度の料金・コースの見直しの検討を始める
10〜11月冬期講習の日程決めと案内、受験生の進路面談、2学期の面談来年度の募集要項づくり、料金改定がある場合の告知準備
12〜1月冬期講習の実施、受験直前の対応、年間の帳簿の締め、来年度の継続意向の確認新年度の時間割案、講師の契約更新の確認、春期講習の準備
2〜3月新年度の募集、春期講習の案内と実施、学年更新・名簿整理、卒塾生の手続き、新年度教材の発注1年の振り返りと、翌年のカレンダーの更新

右の列を設けているのがポイントです。「その時期にあること」だけを並べたカレンダーは、見た時点ですでに手遅れになりがちです。次の時期の仕事に向けて今から動いておくことを同じ行に書いておくと、カレンダーが予定表ではなく「段取り表」として働きます。

それぞれの詳しい段取りは個別の記事で解説しています。講習の申込と請求は「塾の夏期講習・季節講習の申込・請求管理を混乱させないコツ」、年度の切り替えは「塾の新年度準備チェックリスト」、受験期の面談は「受験期の保護者との情報共有、塾はどう進める?」をご覧ください。なお、帳簿の締めや申告の時期・必要な手続きは事業の形態によって異なるため、税務署や税理士などの専門家に確認したうえでカレンダーに書き入れてください。

「実施日」ではなく「着手日」から逆算して書く

年間カレンダーが機能するかどうかは、実施日の手前に着手日が書かれているかで決まります。行事ごとに、次の3つの日付をセットで決めます。

  1. 実施日:講習の初日、面談の週、新料金の適用月など、動かせない日
  2. 告知日:保護者に案内を出す日。申込や日程調整に必要な期間を見込んで決める
  3. 着手日:日程・料金・文面などの中身を決め始める日。告知日からさらにさかのぼる

逆算の例を2つ挙げます。期間の長さは塾の規模や内容によって変わるため、去年の実績をもとに自塾の数字に置き換えてください。

行事実施日告知日の考え方着手日の考え方
季節講習講習の初日申込の締切と時間割づくりの期間を確保できる日。保護者が家庭の予定を決める前に届くようにするコース・日程・料金・講師の確保を決める期間を、告知日の前に取る
料金改定新料金の適用月保護者が検討できる期間を十分に取り、書面と口頭の両方で伝えられる日改定の理由と金額、説明の文面を固める期間を、告知日の前に取る
定期面談面談の週日程調整のやりとりが終わるだけの期間を見込んだ日面談資料に使う記録がそろっているかを確認する日

料金改定の伝え方は「塾の月謝値上げ、保護者にどう伝える?」、面談資料の準備は「保護者面談の準備を1時間で終わらせる方法」で詳しく扱っています。

重なる時期を先に見つける
3つの日付を書き込むと、「定期テスト対策」と「講習の申込受付」と「面談の日程調整」が同じ2週間に集中している、といった山が見えてきます。山が見つかったら、動かせるもの(面談の時期、案内を出す日)を前後にずらします。重なりを事前に崩せることが、1枚にまとめる最大の効果です。

1枚にまとめたあと、使い続けるための4つのコツ

年間カレンダーは、作った直後がいちばん役に立たず、1年使って書き込みが増えたときにいちばん役に立ちます。続けるための工夫は次の4つです。

1. 月初に15分だけ見る時間を固定する

毎月の最初の営業日に、今月と翌月・翌々月の欄を見る時間を取ります。確認するのは「今月の着手日はいつか」「来月の告知に向けて今週決めることは何か」の2点だけです。日付が決まったものは、日々使っているカレンダーや予定表に、期限つきのタスクとして書き写します。

2. 終わった直後に、ひとことメモを残す

講習や面談が終わったら、その行に「案内は1週間早く」「申込の締切後に追加が3件」といった気づきを書き足します。翌年の自分への申し送りです。記憶が新しいうちの1行が、翌年の着手日を正しい位置に動かしてくれます。

3. 講師やスタッフにも見える場所に置く

年間の見通しは、塾長だけが持っていると塾長しか動けません。講師がいる塾では、教室内に掲示する、共有のカレンダーに入れるなどして、「来月から講習の申込が始まる」「再来週は面談の週」といった流れを全員が知っている状態にします。塾長に仕事が集中する状態を崩す考え方は「塾長が休めない塾から抜け出す仕組み化」でも紹介しています。

4. 年に一度、作り直す日を決めておく

カレンダー自体にも「更新する日」を書き込みます。年度の切り替えが落ち着いた時期に、1年分のメモを見返して着手日を調整し、新しい学校行事予定に合わせて書き換えます。ゼロから作るのは最初の1回だけで、2年目以降は直すだけで済みます。

まとめ

塾の事務が毎年バタバタするのは、1年分の予定が頭の中にしかなく、実施日だけを意識していて、去年の反省が残っていないからです。募集・講習・面談・お金・人と教室の5分野で年に数回の仕事を洗い出し、学校の予定を確認したうえで時期別に並べる。行事ごとに実施日・告知日・着手日の3つを決め、重なる時期を事前にずらす。月初の15分で見直し、終わった直後のひとことメモで翌年のカレンダーを育てていく。

まずは、次に控えている行事を1つ選び、「実施日・告知日・着手日」の3つを書き出すところから始めてみてください。1つ書けたら、同じ型で残りの行事を埋めていくだけです。1枚のカレンダーが、来年の塾長の時間を確実に守ってくれます。

この記事を書いた運営より

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